時代錯誤が堪らない!~「水車館の殺人」綾辻行人 著 読書感想文

綾辻行人の「館」シリーズは、映像化が難しいものが多いと思う。
だって、小説作品の構造自体に大仕掛けがあるものが多いのだから。いわゆる「叙述トリック」ですな。
そういう中にあって、本作品は、映像化ができないとまでは言えないだろうけど、でも、映像化してしまったら、せっかくの雰囲気をとてもうまく伝えられないのではないか、そういう気がする。
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いや~~
それにしても、久しぶりに読み直したのだけど、反時代性というのでしょうか、古色蒼然たる非現実的な雰囲気、堪りませんなぁ。松本清張の言う「お化け屋敷」の世界なのだけど、それそれ、それが良いんだよなぁ。
くたびれたコートを着たおっさんの刑事が靴の底を磨りつぶして聞き込みをする、なんていう、夢も素っ気もないお話も良いけれど、本作品のような、人里離れたお屋敷に(何と、執事までいる!)仮面をかぶったご主人様と、歳の離れた美少女の奥様(由里絵という名前がこれまた堪らないではないですか!)が住んでいる、なぁ~~~んていう、徹底的に非現実的で時代錯誤なお話というのも、しびれるではないですか。堪りませんなぁ~

そして、お約束どおりに、次々と殺人が起きるわけですが。

さて、本作は、他の綾辻作品に比べると、あまり評判がよろしくないようで。「十角館」で衝撃的なデビューをしておきながら、第2作にこんな、ありきたりのやつを書くとは、ということでしょう。
まぁ、確かに、このパターンは典型的な●●トリックのパターンでありまして(横溝正史の「黒猫亭事件」の冒頭に出てくる話を思い出しますね。)、そんなもの、読む前から犯人はわかりきっているではないか、といわれれば、そりゃそうなんですが。
でも。
かもちゃん自身は、最初に読んだ時はころっとだまされた。
そして、うなってしまうのは、叙述形態に隠された仕掛け。よく見るとアンフェアではないわけです。まぁ、こんなのは、クリスティーの「●●●●●殺人事件」以来の「常識」かもしれませんが。でも、やっぱりすごいな。
ここで気付いた。重大な伏線(●と●が区別できない。)があるので、やっぱり、映像化は無理か。

そうは言っても、映像化されたものを見てみたいような気がやっぱりする。由里絵は誰がやるのでしょう。

かもちゃんが読んだ講談社文庫は、「1992年発行」とあるのだけど、最近、新装版がでたようです。新しいのも読んでみようかな。

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