20年たっても色あせない革命の書 ~「十角館の殺人」綾辻行人 著 読書感想文

「10時10分」を何と読みますか?
というか、ふりがなをどのように書きますか?
「じゅうじじゅっぷん」と書いたあなた、中学受験に落ちます。
正解は「じゅうじじっぷん」
そう、「10分」のように、撥音が後ろにつく時には、「10」は「じゅう」ではなく、「じっ」と読む(というか、書く)のです。なぜだ?と言われても、知りません。国語についてのえらい専門家先生方がお決めになったことですから。

それはともかく、講談社文庫では「十角館」を「じゅっかくかん」とふりがなしています。講談社の担当の方、あなた、講談社には入れるかもしれませんが、中学入試では落ちます。

・・・・といった与太話はともかくとして、「十角館の殺人」を読み返してみた。なお、文庫は新装改訂版になっているのだそうで。どこがどのように変わったのかは知らないが。
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本書がいわゆる新本格派の始まりらしいのだけれど、そう思って読むせいか、文章から強い情熱がほとぼしり出ている感じがする。
「エラリイ」の革命宣言(らしきもの)が当時物議をかもしたらしいのだけれど、今読んでも説得力があると思うんだよね。ミステリー(ぷぅさんは「推理小説」と呼ぶ方が好きだが。)というのは、マンションでOLが殺されて、それをくたびれた刑事が捜査して歩き回ったら上司が犯人で、愛人のOLが邪魔になって殺したことを崖の上で告白して終わりました、いうお話が2時間で終わるもの、というのが本書が世に出た20年前も、そして今も世の中一般の常識だと思うけれど、「そうではないんだ!これがミステリーなんだ!」と、「エラリイ」のセリフでもそうだけれど本書全体で訴えているわけです。(さすがに本書を2時間ドラマ化しようという人はいないだろうな。)

それにしても、最初読んだ時は、ぶったまげたね。
これ以上書くとネタばれになるので止めるけれど、クリスティーの「●●●▲▲××××××」のオマージュと思わせておいて(実際、そうなんだけれど。)、メイントリックは「●●●●●××××」であったということだよね。
これって、読みながら犯人がわかった人って、いたのかなぁ。(ある意味ではわかりやすい犯人なのではあるけれど、それがわかっただけではだめなのであって・・・・あぁ、ネタばれせずに書くのって、面倒っ!!)
本書は「2度読み」をしたくなるわけです。だまされたことの腹いせに、伏線の張り方がフェアだったか、インチキはないかということを、調べ直すわけです。でも、2度読みをしても、「な~るほど、これはこれだったのか!」と感嘆するばかりで。

今読み返してみると、やっぱり、本書全体に漂うマニア臭さ(=衒学趣味=高踏趣味)は気になるな。好みの分かれるところなのでしょうね。仮に今初めて読んだならば、受け付けないかもしれない。そこは、頭でっかちだけだった20年前と、多少は現実というものを知ってきている現在との間の、読み手の人間的成長ないし退化による差なのかもしれない。

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