本当に、「全人類必読」かもしれない。 ~「本陣殺人事件」 横溝正史 著 読書感想文

読んでない、では済まされない。
全人類必読の名作。
綾辻行人


・・・と本のオビには書いてあるのです。

全人類必読」とは、大きく出たもの。
まあ、それは宣伝用の文句であるとしても、この「本陣殺人事件」が我が国推理小説の歴史に燦然と輝く名作であることは間違いないわけで。

BSフジで古谷一行が金田一耕助を演じるシリーズの再放送をやっていたのに触発されて、久しぶりに読み直してみたのです。
でもなあ。
表紙が昔と変わっているんだよなあ。
「殺」と、おどろおどろしく書いてはあるけれど・・・・
これはちょっと・・・・

http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC%E9%99%A3%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6-%E8%A7%92%E5%B7%9D%E6%96%87%E5%BA%AB%E2%80%95%E9%87%91%E7%94%B0%E4%B8%80%E8%80%95%E5%8A%A9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB-%E6%A8%AA%E6%BA%9D-%E6%AD%A3%E5%8F%B2/dp/4041304083/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1337390469&sr=1-2

やっぱ、「本陣殺人事件」といえば、これだよね。
画像




(念のためのお断り。あくまでも「殺人」をフィクションとして楽しんでいるのであって、本物の殺人が好きなわけではありませんよ。)

読み終えて。しばし、陶然の境地。作者とともに曼珠沙華(ひがんばな)が咲き狂っているのを見ているような。
あああああ。
こんなに美しい、しかし、おどろおどろしい話があるであろうか。

舞台は、封建的身分意識が残存する地方における、「本陣」。
殺人に合わせて響く、琴の音。
死体があったのは、紅殻で彩られた一室。
屏風には、「三本指」の血の跡。
足跡一つ残らぬ雪の中に突き刺さった日本刀。
木の幹にはなぜか鎌。
耳を澄ませば、水車が回る音。
そして、死んだ猫。

あああああ。
まさに、「和」!

そして、あちこちに出没する「三本指」!
まさに、推理小説の王道!という雰囲気。

読み直して改めて思ったんだけれど、やっぱり、これってものすごい名作。
ひょっとしたら、本当に、「全人類必読」なのかも(ちょっと笑。実は本気)


それにしても、ポイントは、動機ですな。
この動機、ちょっと普通ではない。
(もともと、「人を殺す。」ということ自体が普通ではないわけだから、「普通の動機」という考え方自体が変なのかもしれないけどね。)
そんなあほな!
と言いたくなる気もするのだけれど、でも。
やっぱり、この動機も、すばらしい。

そして、メイントリック自体はまあ、あれですが(笑)、
その使い方がすばらしい!!!!
何と言ってもすばらしいのは、111ページのくだりですね。
ここで、筆者は、読者に対して、ある意味、挑戦状をたたきつけているわけで。
この、ぬけぬけしさが、たまらない!
凡百の書き手だと、とてもこうは書けないのではあるまいか。


いやあ、私たち日本人は、本作を読めて幸せだとしみじみ思ったのでした。

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