実は本当に恐ろしい話。 ~ 「仮面舞踏会」 横溝正史 著 読書感想文

「仮面舞踏会」といっても、少年隊ではありません(笑)
http://www.youtube.com/watch?v=ea8yrAE279s

本作は、横溝正史が角川のおかげで大ブームになった際、以前に執筆を中断していた作品を改めて完成させて世に問うたというしろもの。
横溝正史といえば、「獄門島」「犬神家の一族」といった、終戦直後の混乱の中、血縁などがごちゃごちゃした中、怨念に彩られた殺人が繰り返されるお話、といったイメージが強いけれど、そういう経緯もあっか、本作品はそれらとかなり趣が異なる。

舞台は軽井沢。
登場人物は人気映画女優と、それを取り巻く男たち。
次々と結婚と離婚を繰り返してきて、今度は5人目と結婚するのではないか、という状態。
ううううむ。とても横溝作品とは思えぬ「現代性」があるよね。

マッチ棒の話も、うううううむ。科学だ(笑)。

しかも、ゴルフ場などという、しゃれたものが出てくるのですよ。

どろどろ感というかおどろおどろ感がかなり希薄。

というわけで、横溝作品の中でもかなり異色な雰囲気を漂わせているよね。

作品内容も、横溝作品の中では珍しく(笑)、大きな破綻がないように思うのです。

人によっては、横溝作品の中での最高傑作と推す人もいるのでは。

自分的には、傑作とは思うけれど、横溝臭さが弱い点がちょっとマイナス。でも、傑作だとは思うよ。


さて、
ネタバレは避けなければいけないのだが、多少は内容にも触れてみなくては。

本作品には、犯人が二人いるわけです。
直接の実行犯と、その原因を作った「犯人」と。
推理小説においては、最も疑わしくないやつが犯人だということが往々にしてあるけれど。
本作は、まさに、それ。
実行犯も、真の「犯人」も、ともに、最も疑わしくない人物。
その意外性は、すばらしい。

特に、真の「犯人」の方。
本作品の最大の魅力というのは、この点にある。
実は、こういう話というのは、たくさん起きているのかもしれない。それも、戦争という異常事態以外の場面においても。
そう思うと、本当に恐ろしい話であります。

私たちの世の中って、いったい、何なのだろう。
確かなものって、あるのだろうか?
みんな、「仮面舞踏会」で登場人物を演じているだけなのかも・・・

慄然とするお話なのです。




ところでところで、「仮面舞踏会」で検索をしていたら、こういうマニアックなブログが。
→ http://buta-neko.net/blog/archives/2006/04/post_763.html
ここでも紹介されているが、笛小路美沙(人気スター鳳千代子の娘)役で出ているのが村地弘美。
「と日記には書いておこう」の龍角散CMの人ね。
画像

実は、うちの奥さんに出会ったころに(四半世紀前の話ですな(笑))、ちょこっと似ているような気がしておりまして・・・・いやあ、まあ、その・・・雰囲気がですよ(汗)

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