歴史の常識を打ち砕く、「日本」の「国民」必読の歴史書 ~ 「歴史を考えるヒント」網野善彦 著 感想文

つい最近も、さる有力政治家をめぐる騒動がありました。
「人権重視」な、「進歩的」と目される新聞社の系列で起きた騒動であり、多くの人々に、その社の姿勢への疑念を抱かせる事態になったわけです。

そのような「事件」が起きるたびに思うことなのだけれど、この問題については、人によって感じ方がきわめて異なるようです。特に、西日本と東日本とでまるっきり違うらしい。

そういうことなどを、「網野史学」の網野善彦が、「日本」の歴史の文脈の中で説き起こしてくれるのが、本書「歴史を考えるヒント」。

http://www.amazon.co.jp/%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E3%83%92%E3%83%B3%E3%83%88-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E7%B6%B2%E9%87%8E-%E5%96%84%E5%BD%A6/dp/4101356610/ref=ntt_at_ep_dpt_2

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目次
「日本」という国名
列島の多様な地域
地域名の誕生
「普通の人々」の呼称
誤解された「百姓」
不自由民と職能民
被差別民の呼称
商業用語について
日常用語の中から


各章の見出しを見てもわかるとおり、いろいろなものの呼び方について、「そもそも」論を展開。
月並みな表現だが、「目から鱗が落ちる」話だらけ。

これまでも網野善彦の本は読もうとしたことがあったのだけれど、毎回、途中で挫折。だって、やっぱりとっつきにくいんですもの。
「蒙古襲来」なんて、いきなり、石つぶての話ですよ。度肝を抜かれてしまうではないか。
でも、本書は(薄いせいもあるのだけれど、)、比較的読みやすく、通読できたのでした。講演原稿を下にしているためかもしれない。

「日本」は、豊葦原の瑞穂の国、すなわち昔から水田農業を中心に発展してきた農業国だと一般には思われている。
しかし、筆者は、その虚構性を見事に暴く。
そして、非農業民を含めた多様な「百姓」により構成された、「日本」の歴史を活き活きと描き直してくれる。


歴史に精通すると自負する、多くの人々の虚栄心をうち砕いてくれる、その意味で、激しく痛快な本であり、「日本」の「国民」必読の歴史書と言って過言ではあるまい。多くの方におすすめしたい。

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