先物取引には素人は手を出してはいけません! ~ 「告訴せず」 松本清張著 読書感想文

昔読んだ本で、また読み直したいと思う本がある。
でも、そういうので、絶版になっているものって、結構あるんですよね。
中でも一番読みたかったのが、本書「告訴せず」。作者は松本清張。
昔、学生の頃、文春文庫版を読んだのです。
池袋にあった名画座(すごく汚かったのだ。)で映画も見た。
出演は青島幸男と江波杏子。

しかし、原作の本はたぶん捨ててしまっていて、その後、絶版になったらしくて入手できず。
そうしたら、このたび、光文社文庫から新たに出版されているではないですか!

http://www.amazon.co.jp/%E5%91%8A%E8%A8%B4%E3%81%9B%E3%81%9A-%E6%9D%BE%E6%9C%AC%E6%B8%85%E5%BC%B5%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB%E3%83%97%E3%83%AC%E3%83%9F%E3%82%A2%E3%83%A0-%E6%9D%BE%E6%9C%AC-%E6%B8%85%E5%BC%B5/dp/4334765084

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読み直したけれど、やっぱり、松本清張って、すごい!

最初から最後まではらはらどきどきして、手に汗を握りっぱなし。

内容はかなり多岐にわたります。

最初は、選挙の話。
前にも書いたのだけれど、

「急追している」という表現は「見込みがない」という言い換えであろう。
「苦戦」「出遅れ」「善戦」などというのは「覚束ない」と同義語であろう。


というくだりは、選挙戦最終版のこの時期に読むとなかなか味わい深いものが。

やはり、今ごろ、日本中のあちこちで、「実弾」が飛び交っているのでしょうか?

そして、小豆の商品取引の話。この小説の中で一番はらはらするのはこの下りでしょう。正直言って商品取引の知識が全くないのだけれど、しかし、ものすごくリスクの高い取引であり、だからこそ「当たると大もうけ」であることはよくわかるのだ。
素人さんは手を出してはいけませんね。

そして、モーテルの話。
正直言って、モーテルって、行ったことがなく(爆笑)、いまいちよく分からないのだけれど、すっごく儲かるおいしい商売であることはよく分かりました。
おいおい、そんなに使って大丈夫かい・・・
・・・と、思わず主人公の気持ちになっている自分に気づいている私。


本書のテーマは、まさに、タイトルのとおり「告訴せず」という点。
できないんです。告訴したくても。

そこの描き方が、いかにも清張で、とってもすばらしい!!!

・・・・と、ひたすら絶賛するしかありませんな。


このように、ちょっとした小悪党(政界の大物というのとは、ワルの程度が違うよね。)が、悪事である程度成功していくのだけれど、最後には破滅する、というストーリーは、
「黒皮の手帖」
「けものみち」
「夜光の階段」
などなどと同じパターン。
清張って、こういう話が好きなんだよね。
でも、それって、読者である大衆がすきであるということの表れでもあって。

要は、みんな、他人の不幸が大好きなんだよね。

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