歴史の面白さを改めて実感!~「日本の歴史09 頼朝の天下草創」山本幸司 著 読書感想文

ああ。

歴史というのは、こんなに面白かったのか。

久しぶりに歴史の本で感動した。勢いで、もう1回読み直してしまった。つまり、同じ本を2度、続けて読んだわけです。こういう読み方をするのも、自分としてはかなり珍しい。
そのくらい、面白かった。

本書を読んでつくづく思ったのだけれど、日本の歴史上最大の革命家は、信長でなければ大久保でもなく、他でもない源頼朝なのではあるまいか。


http://www.amazon.co.jp/%E9%A0%BC%E6%9C%9D%E3%81%AE%E5%A4%A9%E4%B8%8B%E8%8D%89%E5%89%B5-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B209-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E5%AD%A6%E8%A1%93%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B1%B1%E6%9C%AC-%E5%B9%B8%E5%8F%B8/dp/4062919095/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1360418362&sr=1-2
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目次

第1章 幕府開創
頼朝という人物
頼朝の原則
平氏滅亡まで
奥州合戦

第2章 頼朝の構想
西国への視線
御家人制の成立
守護・地頭の設置
組織としての鎌倉幕府

第3章 頼家・実朝と政子
頼家の失政と廃位
将軍実朝
実朝の後継者と政子の役割
女人相承の構図

第4章 京都朝廷と承久の乱
後鳥羽天皇の即位と倒幕の企て
幕朝の軋轢、そして承久の乱
京方兵力の構成と戦後処理
荒れる京都と飢餓

第5章 幕府の確立と武士社会
泰時の襲職
「御成敗式目」と幕府訴訟の特質
武士社会の実践智
投獄社会の自己主張

第6章 北条時頼の登場
後嵯峨天皇の即位
将軍頼経の追放と宝治合戦
時頼の政治と皇族将軍
北条氏と怨霊

第7章 新時代の息吹
都市鎌倉
法から見た女性の地位
新仏教の勃興



鎌倉幕府の源氏将軍は3代で終わり、その後は藤原氏と天皇家から招かれた将軍が続き、しかもそれらの傀儡将軍ですら、一定期間いるとそれなりに影響力が出てしまうので、都に追い返される、というパターンが続くわけです。
そして、実権は北条氏が執権として(後期にはそれすら形骸化して「得宗専制」になるのだけれど。)完全に握っていたわけで、実質的には「鎌倉幕府=北条幕府」だったわけです。しかし、それでも、北条氏自らが将軍になることはなかった。本書にも書かれているけれど、後世、北条氏の系譜を継ぐ者と自称して政権を担おうとする者も出なかった。
これはなぜか。
この問題については、東大入試問題にもでているのだけれど(「歴史が面白くなる 東大のディープな日本史」参照)、その答えが本書に明確に書かれています。

103頁
摂関家や源氏といった貴種ではなく、東国のそれも一小豪族に過ぎない北条氏では、正当性を主張することはおろか、周囲の武士たちの同輩意識を否定することさえ容易ではなかった・・・北条氏は・・・人格的な結合の中心とはなり得ないのである。


また、鎌倉時代の新たな支配構造として誕生した「御家人制」の本質を、将軍に対する擬似的な人格結合ととらえるわけで、これはうなってしまうところ。なるほど、そういうことか。


そして、度肝を抜かれたのは、実朝への評価。
普通、実朝って、政治的意思も能力も欠いた、貴族文化にあこがれている文学青年と見られがち。
しかし、本書の分析は違う。
実朝の優れた政治資質を高く評価しているのです。

ただし、その根拠はあいまいではないだろうか。一般向け啓蒙書だからそんなに書けないということなのかもしれないが。


その他、本書には、興味深い分析が盛りだくさん。

いやあ。
歴史というのは、本当に面白いものだ。


ところで、この表紙って、いつまで頼朝関連で使えるのだろう?

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