長すぎて、散漫! ~「写楽 閉じた国の幻」 島田荘司著 読書感想文

鬼才・島田荘司が、日本史上最大の謎である写楽の正体に迫った問題作がついに文庫化したのです。
早速、読んでみました。

http://www.amazon.co.jp/%E5%86%99%E6%A5%BD-%E9%96%89%E3%81%98%E3%81%9F%E5%9B%BD%E3%81%AE%E5%B9%BB-%E6%96%B0%E6%BD%AE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%B3%B6%E7%94%B0-%E8%8D%98%E5%8F%B8/dp/4101033129/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1362601023&sr=1-2


うううううううん。

メインテーマである、「写楽の謎」については、確かに興味深いもの。
おそらく、これまでの諸説が見落としているであろう論点、すなわち、そもそも「写楽の謎」って、何?というところから整理していて、ことの本質は「誰?」ということよりも、「どうして誰もそのことを話さないの?」というところにあることを明らかにしている。
この点が、非常に説得力を感じさせるところ。

そして、「誰?」という点については、「そういうことだったのかもしれないねぇ」と思わせるところがある。

しかし、すばらしいのはそこまで。

何せ、全くの推測(見方によっては「妄想」)の域を出ないわけです。
「そういうことがあってもおかしくないかもね。」とまでは言えるけれど、「なるほど、そうだったのか!」という域にはとても達していない。(まあ、小説にそこまで求めるのは酷かもしれないのだが。)

そして、もっといけないのは、この「小説」が、およそ小説の体を成していない点。
写楽の謎を解いた(?)のは良いとしても、他の問題が、しかもものすごく深刻な問題が、完全に忘れられているのです。どうなっているの?そこのくだりの文章が結構読ませるものであるが故に、この「竜頭蛇尾」ぶりはちょっと・・・・

それに、一番最初に出てくる「謎のもの」が、結局、「???」のままだし。


さらにけちをつければ、これは島田作品(「アトポス」「水晶のピラミッド」を思い出した。)に共通していることではあるのだけれど(そこが好き!という方も多いのでしょうが、)とにかく、長すぎる。
江戸時代の場面はもっと徹底的に短くして良かったのでは?あまりに余計なおしゃべりが延々と続いているのではないかと感じてしまって、ここはほとんど読み飛ばしましたよ。



・・・・というわけで、魅力的な要素は含んでいるものの、全体としては、あまりに散漫かつ長大な本を読んでしまった、というのが率直な感想でした。

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